一時期のエコブームや、毎年値上がりする石油・ガス料金に対応するため、オール電化を謳うマンションが人気を集めた時期もありました。
分譲・賃貸どちらの形態でも、石油・ガス料金対策や小さいお子さんの安全の面で優れていることがあります。
しかし、停電した場合はいったいどうなるのでしょうか。
オール電化マンションは停電でどうなる?
オール電化とは、その名の通り全てのエネルギーを電気で賄っています。
地震による「ブラックアウト」と呼ばれる大規模停電で、私が暮らす地域は2~3日電気が使えませんでした。
私の暮らす地区は、賃貸・分譲のマンションが立ち並ぶ住宅街、最近できたマンションやリフォームを終えたマンションではオール電化マンションもあります。
複数の知人がオール電化マンションで暮らしていますが、今回の地震による停電で同じことを言っていました。
「水も出ないし、お湯も沸かせない」
「トイレが使えない」
「換気ができない」
照明や電気機器の使用は、停電が起こるとどの家庭でも使用できなくなるもの。
オール電化マンションでは、他の家庭でできることが全くできなくなる可能性があります。
オール電化マンションが他の家より不便になる理由
オール電化マンションが停電で不便になる理由は明らかです。
それは、電気以外のエネルギーで使えるもの、元々電気を使っていなかった機器を持っているオール電化以外のマンションに比べて、オール電化マンションは次のものに電気が必要だからです。
加熱調理機器
まずわかりやすいものは、コンロなどの調理機器です。
古くから使われているガスコンロは、着火用の火花を散らすための電池さえあれば停電でも使うことができます。
オール電化マンションで使われているIHコンロ、オーブンは停電では全く使えなくなります。
火が使えるかどうかは、実は大きな違いです。
今回の地震では、深夜に起きた地震の日の朝には、お店から加熱の必要のない食品はほとんど売り切れていました。
もし、カップ麺やインスタント食品をその後手に入れることができても「食べられない」ことにつながります。
上水道
加熱調理ができるかを考える前に、もう1つ重要なことがあります。
それは、「水が出るか?」です。
高層階の建物では、上の階へは電動のポンプで水を組み上げています。
低層階でも、浄水器や配水を全てコンピュータで管理している建物では、断水してしまうでしょう。
トイレとシャワー
「水が出るからどうか」は、建物に住めるかどうかを決める非常に重要なことです。
そして、もう1つ水にまつわる大切なことがあります。
仮に水道から水が出たとしても、トイレやシャワー(もちろん冷水ですが)が使えるとは限りません。
トイレの中には、ウォシュレット、洗浄、消臭を全て管理する便器があります。
トイレ掃除の回数が減って助かる方も多いといわれていますが、停電すると流せなくなるものもあります。
また、シャワーは給湯設備が動かなければお風呂場の水が出ない仕組みのものもあります。
シャワーが使えなくても、ウェットシートなどで身体をふくことはできますが、トイレが流せないのは、家に住めるかどうかを決める非常に重要なことだと思います。
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まとめ
普段は便利で光熱費を節約できるオール電化マンション。
今回、北海道で地震によって引き起こされた大規模停電。
電気を失ったオール電化マンションは、他のマンションに比べ遥かに暮らしにくくなります。
最低限、火が使えるポータブルのガスコンロ、数日分の飲料水は備えて起きたいもの。
そして、お風呂場やトイレが使えなくなってしまったら、残念ですが、一時マンションを離れることをお勧めします。