日常生活で「アセトン」はあまり耳にしない単語ですよね。
しかし、私たちの身の回りに意外と存在している物質なのです。
そして、間違った使い方をすると危険を伴う物質でもあります。
今回はそんな「アセトン」の危険性についてお話します。
「アセトン」とは?
「アセトン」とは、水で溶かすことの出来ない液体を溶かす「有機化合物」の一つです。
ケトンの中でも最も単純な構造をしているので、溶けやすい特徴をもっています。
アセトンは油を溶かす作用に優れています。
皮脂はもちろん、キッチン周りの頑固な汚れも綺麗に落とすことが出来る洗浄力を持っています。
また、アセトンは常温で気体になる揮発性の物質でもあります。
そのため、使用する際は風通しの良いところや換気をしながら使用してください。
また、揮発性の特徴に加えて、引火性の強い物質でもあります。
火の気のある場所での使用は危険ですのでやめましょう。
アセトンは、私たちの身近にある、除光液や塗料の溶剤やプラスチック製接着剤などにも含まれています。
成分表に必ず「アセトン配合」と表記があると思うので、しっかり確認して、取り扱ってください。
「アセトン」の危険性
揮発性の特徴や引火の危険があることは上記でお話しましたが、もう少し詳しくお話します。
アセトンは約20℃で引火してしまいます。
そのため、蒸気を溜め込まないようにする必要があります。
また、蒸気と共に静電気も溜め込まないようにする必要があります。
静電気にも引火性があるので、静電気から引火して火災に繋がる恐れもあります。
「アセトン」の危険性は多くは大人にあるのですが、胎児へ悪影響を及ぼす可能性もあります。
アセトンの蒸気が目や呼吸器・生殖器に入ってしまうと結果、眠気やめまい、呼吸困難や血液障害を引き起こしてしまう可能性があります。
お腹の中にいる胎児にも悪影響が出てくるので、妊婦さんは気を付けてください。
大量のアセトンを吸い込むと、最悪の場合は意識を失うこともあるくらい危険な物質だと認識しておいてください。
そして、万一吸い込んでしまったときには、ただちに専門の医者で診察してもらってください。
「アセトン」に引火した時の消化方法で知っておきたい点
もしもの時に消化方法を知っておくことも大切です。
危険物によって消化方法は様々です。
アセトンの場合は、基本的に「窒息消火」と言われる消化方法が適しています。
窒息消火とは、酸素の供給量を断絶する消化方法です。
火災というのは基本的に酸素の量で広がっていくので、根本的な部分を断絶することが大切です。
窒息消火の方法は燃焼物に不燃性の泡をかける、ハロゲン化物や二酸化炭素のガスを注入する、粉末消火剤で覆うやり方になるでしょう。
しかし、これらはなかなか一般の家庭に常備されているものではないので、万が一、生活の中でアセトンを使用する場面が出てきた場合は、もしもの時を考えて、消火に使う物質も一緒に揃えておくと良いでしょう。
そして、もしもの場合は、落ち着いて、すぐに消防車を呼びましょう。
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まとめ
アセトンは「危険物」として危険物を専門に扱うプロが扱う物質でもありますが、除光液など、日常生活の中にも紛れています。
もしも成分表に「アセトン」の表記があった場合は、より注意深く扱うようにしてください。
事故が起きてからでは取り返しがつかないので、自分の身の安全は自分で守ることが出来るように、万全の対策を心がけてください。
アセトンに対して、ネガティブな印象を残してしまったかもしれませんが、お掃除などには抜群の効果を発揮するので、物質の特徴を理解したうえで、安全に扱って、普段の生活に有効活用してみてくださいね。