「ゲリラ豪雨」と「スコール」、どのように使い分けていますか?
私の勝手なイメージだと、「スコール」は主に海外の雨季に降る雨に使われることが多い気がしますが、正しいのでしょうか?
何気なく使っている言葉の違いは難しいですけど、正しく使いたいですよね。
今回は「ゲリラ豪雨」と「スコール」の違いについてお話しします。
「ゲリラ豪雨」の定義
まずは「ゲリラ豪雨」からお話しします。
実は「ゲリラ豪雨」という呼び名は日本限定の呼び名なのです!
気象庁で使われる正式な名称では「集中豪雨」や「局地的大雨」などの名称が使われています。
2008年の流行語トップ10に「ゲリラ豪雨」は選ばれていて、近年の異常気象から生まれた言葉だと言うことが出来ます。
「ゲリラ豪雨」には明確な定義は存在せず、予測が困難な積乱雲の発生による局地的な豪雨を指す俗語として、マスコミなどを中心に、多く使われています。
「ゲリラ豪雨」が発生する原因のひとつに「地球温暖化」があります。
2018年に西日本豪雨が発生しましたが、この災害も地球温暖化の影響は少なからずあったと言われています。
ですので、これから先の未来でも、「ゲリラ豪雨」の発生頻度は上がると予測できるでしょう。
「スコール」とは?
次に「スコール」のお話しをします。
「スコール」は昔からすでに世界の気象機関で定義付もされていて、”毎秒8m以上の風速増加を伴い、最大風速が11m/秒以上で、1分以上継続する”とされています。
つまり、本来スコールは、突風のことを示しているのです。ただし、スコールは雨や雷が伴うことが多いので、「激しい雨」のイメージが定着したのでしょう。
ですので、雨が降っていなくても「スコール」、土砂降りの雨が降っても「スコールではない」ということは大いにあり得るのです。
「ゲリラ豪雨」と「スコール」の違い
「ゲリラ豪雨」と「スコール」がどのようなものなのかは上記でお話したので、だいたいの違いはお分かり頂けたかと思うのですが、もうひとつの違いについてお話します。
それは、「暖かい雨」と「冷たい雨」の違いです。
「ゲリラ豪雨」は、氷の粒が落下中に溶けて雨になることが多いので、比較的、雨粒が冷たいです。
しかし、「スコール」の場合は、氷の粒ではなく水の粒がそのまま落ちてくることが多いので、比較的、あたたかい雨粒が降ってきます。覚えておいてくださいね。
また、余談になりますが、突然の雨というと「夕立」を思い浮かべる方もいるかと思います。
「夕立」が起こる現象は、ゲリラ豪雨とだいたい同じです。
ただ、降水量が全然違う為、名称を変えて使い分けられているのでしょう。
「夕立」とは、夏の暑い時期に多く、せいぜい10分くらいで止んで、暑くなった地面を冷やしてくれる「涼しさ」さえも感じることが出来る、風情ある現象のイメージもありますよね。
一方「ゲリラ豪雨」と聞くと「災害」のイメージが強く、1時間に100mmを超えるような雨が降る時もあります。
「夕立」と「ゲリラ豪雨」。
ハッキリした線引きはありませんし、個人の感覚的なものになってしまいますが、「夕立」と「ゲリラ豪雨」は似て非なるものなのです。
まとめ
同じ「雨」でも様々な名称があり、似ているようでもきちんとそれぞれに特徴があり、差があるんですね。
近年、異常気象が多くみられ、いつ大雨の被害に遭遇するか分からない状況になっていますが、「ゲリラ豪雨」や「スコール」や「夕立」は特に、夏の暑い時期に多く発生するので、気温が上がる日の外出には折りたたみ傘を持っていると安心ですね。
また、外出先で大雨に遭遇してしまった場合は、無理をせずに、近くの屋内に避難して雨宿りをしてくださいね。