小さいころに七夕の時期になると笹の葉に願い事を書いた短冊を飾ったことがある人も多いと思います。
七夕の季節になると、街のいたるところに大きな笹の葉が現れて、笹の葉がデコレーションされると共に、願い事が書かれた短冊で飾られていますよね。
では、なぜ笹の葉に短冊をかけるようになったのでしょうか?
他の木や葉ではいけないのでしょうか?
今回は、そんな笹の葉に短冊をかける理由についてお話します。
七夕に笹の葉を使うのはなぜ?
七夕飾りの風習が始まるずっと前から、笹や竹は神聖な物と言われていました。
笹竹が天に向かってまっすぐと伸びる姿に力強さや生命力を感じていました。
また、笹竹は殺菌力が強いので、厄除けの力があるとも信じられていました。
そのため、笹で体を清めたり、厄払いの時などに笹の葉を振って厄を払ったりするのに使われていました。
また、風に揺れるとサラサラと音がすることから、神を招く音と言われ、精霊(祖先の霊)や神様が宿る依代(よりしろ)と考えられていました。
このように、神聖な物の象徴である笹竹は、お供え物のそばに置かれるようになり、織姫や彦星に向けて「お供え物はここにあるよ!」という目印として、はじめは飾られていました。
それが、時代が進むにつれて、お供え物はだんだんと簡略化されてきて、いわゆる「七夕飾り」に変化しました。
そして、それを笹の葉に飾るようになり、今のスタイルに定着しました。
七夕の笹はいつまで飾るの?
本来は、7月6日の夜に七夕飾りをして、7月7日の七夕当日中には笹を取り外します。
七夕飾りは「一夜限り」なのです。
6日に、七夕飾りをすることによって神様を迎える準備をします。
そして、神様を迎え終えたら、7日には、笹を水に流して清めることが正しい方法です。
ただ、現在では街中や商店街やデパートでは、季節を表す飾り物になっているので、そこまで厳密に行わなくても罰が当たるとかではないので、心配しないでくださいね。
七夕に使った笹の後始末の方法は?
川に流す
昔は、水でお清めするという意味も込めて、川に流していました。
最近では、イベントなどで川に流すことはありますが、個人的に流すことは、ごみ問題に繋がるため、禁止されています。
もし近くで「七夕流し」や「七夕送り」と呼ばれる、笹の葉を川へ流すイベントが開催されている場合は、是非、持ち込んで流してみてください。
神社でお焚き上げしてもらう
七夕の日に神社に持ち込むと、お焚き上げしてくれる神社もあります。
お焚き上げは、燃やした時の煙が天に昇り、神様に届くようにという願いが込められているので、短冊に書いた願い事も一緒に神様へ届けてくれそうですね。
燃えるゴミとしてごみに出す
なんだか忍びないように感じるかもしれませんが、一般的には最適な方法でしょう。
竹や笹が袋から飛び出さないようにしっかりと短く切って、袋に入れましょう。
もし、お願い事を書いた短冊をそのまま捨てるのは気が引ける…という方は、半紙などの白い紙に包んで捨てると良いでしょう。
白い紙には、それまでの運気を断ち切るという意味があります。
さらに気になる方は、お清めの塩をかけてごみに出しましょう。
まとめ
七夕は今では季節の行事のひとつとして広く浸透していますが、本来の持つ意味を知ると、七夕行事自体も神聖な物に感じられますね。
また、1年の中でも丁度折り返し地点に七夕はあるので、今の自分の願いを考えることで、半年の振り返りや、あと半年の目標などを明確にする手段の1つにもなるなぁと思っています。
七夕を子供の行事と捉える方も多いと思いますが、いくつになっても「願い」はあると思うので、是非、今年の七夕はご自身に「願い」を問いかけてみてはいかがでしょうか?