牛肉、豚肉、鶏肉…さまざまな種類の食肉にも、今や「ブランド」が存在しますね。
今も昔も、ブランド物は人気を集めるものですが、あなたはこの頃「三元豚(さんげんとん)」「四元豚(よんげんとん)」という言葉を耳にしませんか?
そして、この二つの違いって何なんだろう?と思ったことはないでしょうか。
今回は「三元豚」「四元豚」の違いに触れていくとともに、美味しい豚肉の選び方もご紹介していきますよ。
三元豚と四元豚、違いは「掛け合わせた品種の数」
三元豚と四元豚、この二種類の豚はともに、所謂「雑種」です。
三元豚は三種類の、四元豚は四種類の品種の「純粋品種」の豚を何代かにかけて組み合わせることで生まれます。
(純粋品種=純血、と考えていただければ、分かりやすいかと思います。)
三元豚や四元豚自体が、豚の「品種名」「ブランド名」という訳ではありません…!
現在日本で流通する豚肉の多くは「三元豚」で、スーパーなどで見かける普通の豚肉も実は「三元豚」のうちです。
(※その中で質の良いものに、産地や牧場の名前を冠したブランド名がつくことはあります。)
では、ここからは「三元豚・四元豚どちらが美味しいのか」、「三元豚・四元豚それぞれの長所と短所」などに触れていきましょう!
三元豚と四元豚、どっちが美味しい?
ずばり言ってしまいますが、私個人としては「三元豚、四元豚のどちらが美味しいか」と言うのは、結局のところ「好み」でしかないと考えています。
味の質や臭みの程度も「三元豚か、四元豚か」ということよりは飼育環境や飼料に気を使っているかどうかで決まること。
交雑種でない純粋品種の豚でも、黒豚やイベリコ豚など、有名どころで美味しい豚肉はたくさん存在しますから。
どちらかにこだわること無く、食べ比べて好きな味を見つけていくのが良いかなと私は思います!
(私の個人的なオススメは、さまざまなブランド豚を取り揃えるとんかつ屋さんでの食べ比べです。)
ただし「三元豚」「四元豚」という名称をきちんと謳って販売しているもの、産地や牧場名をブランドとして掲げているものもありますね。
それらは、ブランドを名乗る立場ゆえ、環境に気を使って育てている傾向がありますので、比較的ハズレが少ないです。
三元豚・四元豚に興味があり、どこから試して良いか分からないあなたは、そういったブランド名を冠しているものから始めるといいかもしれません。
それでもそれぞれの利点・欠点など、詳しく知りたい!というあなたに向けて、次項からは「三元豚」「四元豚」…両者にさらにフォーカスを当てていきます!
三元豚の長所と短所
先ほどお伝えしたように、日本で多く流通している三元豚。
ここまでに、純粋品種でも美味しい豚肉はあるということもお伝えしているので、気になる人も居ると思いますが…。
「それなら、何故わざわざ純粋品種でなく雑種の豚を作るの?」ということについてです。
その理由は、単刀直入に言ってしまえば「純粋品種の”いいとこ取り”をするため」。
純粋品種は美味しいけれど育ちにくかったり、生まれる子どもが少なかったりという問題を抱えています。
それを解消するために交雑を行い生み出した「美味しい肉を持ち、かつ育てやすい強健な豚」が、三元豚なのです。
生産者にとっても効率よく生産でき、安定した味の提供が可能。多く出回っているので、リーズナブルなのも魅力でしょう。
しかし、三元豚は四元豚に比べると掛け合わせている種類がひとつ少ない訳です。
後でまたお伝えすることではありますが、四元豚はさらにもう一種の豚を追加で交雑させることで「さらなるいいとこ取り」をしている品種。
それゆえ一度四元豚を食べてしまうと、味の違いが分かって「四元豚と比べると、三元豚はまずいと感じる」という人も。
ですが、気にしない人も多いですし、現代の三元豚は高水準です。豚肉の魅力もさまざまですので、敬遠しないのがベターかと思います!
四元豚の長所と短所
続いて四元豚の長所ですが、前述の通り三元豚を上回る「純粋品種のさらなるいいとこ取り」をしているのが四元豚。
三元豚よりさらに肉質や味の質がアップし、臭みもないと言われます。綺麗な霜降りの肉で高級感があり、やわらかく、どんな料理にも合いますよ。
特に日本人は「サシの入った肉」を好む傾向があるので、見た目だけでも、三元豚より魅力的に感じられるかもしれませんね。
ただし、四元豚は三元豚より高級です。家計のやりくりが上手でない人々にとっては、毎日毎日食べるものではない…と思われてしまいがちです。
まとめ
ここまで、三元豚・四元豚という言葉の意味と、それぞれの魅力についてお伝えしてきました。
もちろん、美味しい豚肉を探しているあなたの心にこの記事が響けば、これほど嬉しいことはないのですが…。
やはり私の文章で判断だけでなく、自分の舌で味わってみることで、どの豚肉が最も「自分好み」であるかを考えていただければと思います!
人間というのは十人十色、蓼食う虫も好き好き。そういった意味で、全ての人が絶対に「これがいちばん美味しい!」と思うものなど存在しません。
少しスケールの大きな話になってしまうと思いますが、食に限ったことでなく…周りに揺るがされずに、自分の「好き」を見つけてほしいものです。
今回のお話が、そのための「ひとつの指標」になれば、嬉しいです!