実は地球には隕石が年間を通して何百万個も落下しています。
しかし、「隕石」として認識されるものは、年間数十個しかありません。
では、隕石が落下すると、落下した場所では何が起こるのでしょうか?
また、今までに地球に落ちた隕石の中で、最大の被害をもたらしたものはどのような隕石だったのでしょうか?
今回は、もしも地球に隕石が落ちたらどうなるのかについてお話しします。
地球に隕石が落ちたらどうなるの?
落下する隕石が10cmまでの大きさだった場合は、「綺麗な流れ星」程度で終わります。
地球に届いた隕石が10cm以下の場合は、とくに被害はないと思っておいて大丈夫です。
では、どのくらいの大きさだと大きな被害が出るのかと言うと、一般的に地球上のクレーターは、落下天体直径の20倍の大きさと言われています。
ですので、仮に直径100cmの隕石が地球上に落下した場合、直径2kmのクレーターを作る爆発を起こすことになります。
地上に到達する前に、空中で爆発したとしても、衝撃波は半部になりますが、東京23区程度の大きさは吹き飛ばされる恐れがあります。
ただし、「隕石」と言っても、重さの軽い物、重い物があるので、大きさだけでひとえに判断することは難しいでしょう。
地球に落ちた最大の隕石ってなに?
32億6000年前に地球に衝突した隕石が、現在の研究では、地球に落ちた最大の隕石と言われています。
この隕石は、南アフリカのバーバートン・グリーンストーンベルトから何千kmも離れた海盆に衝突して、海底を変形させ、地震と津波を発生させました。
この衝突は、海を沸騰させ、空を赤くし、30分にわたって、地球全体に地震をもたらしたと言われています。
隕石衝突のエネルギーで、海洋の表面は沸騰し、高さ数千メートルの津波が発生しました。
さらにこの隕石衝突によって、初期地球の構造プレートを恒久的に変化させ、その結果、現在のプレートになったとも言われています。
他にも巨大隕石が地球に落下した事例はいくつかあります。
【キャニオン・ディアブロ隕石】
2~4万年前、アメリカのアリゾナ州ディアブロ狭谷から5~6km地点に重さ約30トンの鉄の隕石が落下しました。
この結果、直径1220m、深さ184mのアリゾナクレーター(バリンジャークレーター)が出来ました。
【アエンデ隕石】
1969年にメキシコのチワワ州に落下しました。破片は今でも世界中の博物館で見ることが出来ます。
この隕石の含有物は45~47億年前に形成されたもので、これまで発見された中で太陽系最古のものだと言われています。
【チクシュルーブ隕石】
メキシコに落ちたこの隕石によって、恐竜が絶滅したと言われています。
6500万年ほど前に、小都市ほどのサイズの隕石が地球に衝突して、直径168kmのクレーターが出来ました。
また、全世界に、大地震と津波、火山の噴火も引き起こしました。
この隕石の衝突によって、地球環境が大きく変わり、様々な生物が絶滅しました。
巨大隕石の衝突により、地球が滅亡する恐れがある?
実は、2135年に巨大隕石が地球に衝突するかもしれないという研究結果をNASAが発表しているのです。
ノストラダムスの大予言みたいに、疑心暗鬼になりがちですが、NASAが発表していると、なぜか信憑性を高く感じてしまいますよね。
NASAの発表によると、直径500mほどの「ベンヌ」という隕石が2135年に地球に衝突する可能性があるそうです。
500mといえば、東京タワーよりも高い高さになります。
NASAも、この隕石の地球衝突を防ぐために、様々な対策を考えています。
場合によっては、核兵器を打ち込んで、粉々にすることまで考えているそうです。
しかし、この隕石が地球に衝突する可能性は今のところ0.00037%という確率だそうです。
これを低いか高いか、考え方は個々の考えだと思いますが、衝突してからでは遅い問題です。
少しでも衝突の可能性があるのなら、対策を講じてもらいたいですよね。
隕石と彗星の違いとは?彗星も落下することがあるの?
まとめ
「隕石」なんて、夢の中や物語の中に出てくるものと思いがちですが、実際には、私達の生活のごく近いところに存在しているものなのです。
また、巨大隕石の被害は、一瞬にしてすべてを吹き飛ばしてしまう、抗えない力を持っているので、専門家の方たちによる研究がこれからどんどん進められて、危険のない世の中になっていくことを願いたいですね。