人事異動は自分の生活や人生を大きく変化させるものなので、納得のいかない人事異動の場合、退職して転職する…という選択肢もあるでしょう。
ただし、人事異動が理由で退職する場合、どのような弊害が発生するのでしょうか?
ここでは、人事異動を拒否して退職した場合についてお話しします。
人事異動が理由で退職したい場合の手続き方法
まず、人事異動が理由で退職すること自体は問題ではありません。
会社側も、退職を拒否することは出来ません。
しかし会社側も、人事異動は計画的に行っている為、人事異動のあとすぐに退職されると、快く思われない可能性もあります。
少なからず、どこかの誰かには迷惑をかけてしまうことは忘れないでおきましょう。
また、退職したいと思ってすぐに退職できるわけでもありません。
おおよその会社は、辞める1ヶ月前に退職を申し出る必要があります。
会社ごとに「就労規則」があるので、退職時の規則をきちんと確認しましょう。
また、退職届を提出してからの残された勤務時間に、きちんと引継ぎをしたり挨拶をしたり、最低限度のマナーを守って、気持ちよく退職できると良いですね。
人事異動に拒否権はあるの?
原則、人事異動の拒否は出来ません。
ただ、正当な理由がある場合、拒否することが出来るので紹介します。
① 入社時の雇用契約書の内容に反する
「勤務地」や「職種」が限定された雇用契約を結んだのに、それに反する移動が出た場合、「契約違反」となるので、拒否することが出来ます。
② やむを得ない事情がある場合
病気や介護の必要な親や家族と同居していて、環境を変えることが出来ない場合や、移動によって、本人や家族に対する負担が大きすぎると判断することが出来る場合は、一度、上司に相談してみましょう。
③ 会社側の権利の乱用
気に入らない社員に対する「嫌がらせ」と思える人事異動や、移動によって自主退職に追い込もうとする意図が見え隠れする場合などは、その不当性を立証できるのであれば、拒否を申し出ることが出来ます。
人事異動には必ず何かしらの理由があります。
会社にとって、自分にとって、プラスになると信じて、出された移動に従ってみるのも良いと思います。
移動先で働いてみて、やはり合わなかったり苦しかったりした場合は、そこからこの先どうするのかを考えても遅くないと思います。
人事異動を拒否したら解雇された!会社を訴えたケースの判例とは?
【会社側が勝った判例】
とある塗料メーカーの社員が、人事異動に納得がいかず断り続けていたら、会社から懲戒解雇を受けました。
その社員は、会社を訴えましたが、裁判では会社側が勝訴しました。
【会社側が負けた判例】
とある食料品メーカーの社員が、転勤を拒否しました。その社員が裁判を起こし、その結果、会社側は敗訴しました。
その転勤は無効であると判断されて、社員の転勤拒否を認めました。
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同じような判例で、何が勝訴と敗訴を分けたのでしょうか…?
それは、訴えた側の社員の抱える「理由」にあります。
実は、食料品メーカーの社員は介護の必要な家族が同居していたのです。
人事異動の命令は「社員に著しい負担を負わせるものではない」ことが条件になります。
この場合、転勤によって介護の手が無くなると、人命に関わることや、金銭的に多大な負担を負わせることになってしまうと考えられる為、社員側の転勤拒否が妥当であると判断されました。
ただ、実際に裁判になったケースで、何かしら理由があったとしても、会社側が勝訴する場合が多いのも事実だそうです。
人事異動の裏側にある秘密とは?その原因とは!
まとめ
人事異動を受けられない「理由」も、それを負担に感じるか感じないかは個人の感覚の違いもあります。
人事異動が出た瞬間に「無理です!」と決め込まずに、まずは何か解決方法はないか、出来ることは無いか、周りに相談したり上司に相談したりしてみてください。
自分一人では思いつかなかったアイディアを貰えるかもしれませんよ!