高齢者の方が賃貸マンションやアパートへの入居を希望しても、断られてしまうことも珍しくはありません。
特にお1人暮らしで、家族や親族が離れて暮らしている場合は新しく賃貸物件を借りるのが難しい場合もあります。
今回はその3つの理由と、それぞれの対策をお話しさせていただきます。
高齢者が賃貸マンション・アパートを借りれない3つの理由
高齢者の方が賃貸のマンションやアパートを借りれないことには、大家さんにとって他の世代に比べてリスクがあるからです。
大家さんやオーナーさんが考える、高齢者の方に対するリスクを3つに分けて考えてみます。
突然死・孤独死のリスク
高齢者の方は、持病をいくつも抱える方も多く、病状の悪化が命に関わることも珍しくはありません。
さらに、風邪やインフルエンザなどから肺炎になり、命に関わることもあるでしょう。
家族が遠く離れて暮らしていたり、家を訪れる家族がいない方は、自宅で亡くなっても気がつくのが遅れ孤独死をされる方も増えています。
もし、同居する方がいて救急車が駆けつけてくれるなら、大家さんはさほどリスクを感じないでしょう。
問題は、大家さんが第一発見者となってしまうお一人暮らしの場合です。
人が自宅で亡くなっているところを発見された場合、医師によって病死と診断されるまでは「変死」扱いとなります。
これは、例えば山の中で死体が発見された場合と同じで、警察は死因が明らかになるまで捜査を行わなければなりません。
大家さんや周囲の方も、取り調べに協力しなければならず、周囲は立ち入り禁止となります。
そして、自宅であっても亡くなった方が発見された賃貸マンションやアパートは事故物件として扱われてしまいます。
突然の転居や家賃を支払えなくなるリスク
もう1つは、高齢者の方が入院や介護を受けるために医療機関や介護施設へ入ることが多いことです。
中でも入院した後に、介護が必要になる、遠方の家族と自宅で暮らすことになる場合、大家さんにとっては突然訪れることです。
理由は全く違いますが、高齢者の方が入院して突然転居することも、若い方がお金がなくなって突然転居することも、大家さんにとって出費や手間がかかるという点では大きく変わりません。
認知症によるトラブルのリスク
3つ目のリスクは、認知症によるトラブルです。
認知症による問題行動は最近知られるようになってきましたね。
賃貸マンションやアパートの大家さんが特に気にするトラブルは、失火やゴミの問題です。
ガスの消し忘れや、誤ったストーブの使用によって火災を起こしてしまうこと。
また、ゴミを捨て忘れて家の中がゴミだらけになってしまうことです。
この2つは、どちらも賃貸マンションやアパートの建物そのものに被害が出てしまうものです。
突然死や孤独死によって事故物件になることと近いように思えますが、火事を起こしてしまうことは他の住民の方の生活を壊してしまうことです。
もし、死者が出てしまうと訴訟問題にもなりかねません。
大家さんにとっては、建物の安全管理の責任を問われる可能性があり、認知症の危険の高い人は入居をご遠慮いただきたいと思われるでしょう。
高齢者が賃貸マンションを借りるためには?
賃貸マンションやアパートの大家さんやオーナーさんにとって、突然死による事故物件、突然の転居や家賃の滞り、認知症によるトラブルのリスクがあると思われてしまう高齢者の方が賃貸物件を借りるためには、3つの方法が有効でしょう。
1つは、家族や親族だけではなく、知人も含めた緊急連絡先を伝えておくことです。
もう1つは、経済力のある方に連帯保証人になってもらうことです。
最後の1つは、トラブルや家賃の支払いに関して、必要な場合は確約書などを渡すことです。
まとめ
突然死による事故物件、突然の転居や家賃の滞り、認知症によるトラブルのリスクがあると判断されてしまい、賃貸物件への入居を断られてしまう高齢者の方。
かつては、収入が不安定で騒音や人間関係のトラブルで信用が低かったのは若者でした。
現在は、家族が遠く離れて暮らしていることもあり、高齢者の方がリスクのある利用者と判断されてしまいがちです。
緊急連絡先、連帯保証人、確約書を準備しておくことで少しでもオーナーさんや大家さんの信頼を得たいものですね。