アウトドアブームの再来で、身近な道具になりつつあるダッチオーブン。
最近のアウトドアブームは、焚き火やダッチオーブンで日常では楽しめなかった料理を作ることも楽しみの1つ。1台で多くの役をこなすダッチオーブンは、万能調理器として重宝します。
ところでダッチオーブンの「ダッチ」とはいったいどんな意味なのでしょうか。
今回は、そんなダッチオーブンの名前や「Dutch」という言葉のお話をさせていただきますね。
ダッチオーブンのダッチの意味
ダッチの意味は
ダッチオーブン(英語:Dutch oven)はDutchとOvenでできた言葉です。
Ovenの意味は、文字通りオーブン。
わからないのは、もう1つのDutchの意味ではないでしょうか?
Dutchは「オランダ人」、「オランダ製の」という意味です。
当時アメリカで売られていたダッチオーブンの多くがオランダ製であったためとも、オランダ人の行商か多かったためともいわれています。
ダッチオーブンとは?
ダッチオーブン(英語:Dutch oven)の歴史は、そこまで古くはありません。
記録が残る限りでは、1800年代のアメリカが始まりと言われています。
当時、新大陸の開拓が始まり、ヨーロッパから訪れた開拓民はニューヨークのある東海岸から、ロサンゼルスなどがある西海岸へ向けて、移動して暮らしていました。
北アメリカの内陸側は乾燥した気候で知られています。
中には、長距離の移動をアウトドア生活をしながら暮らしている人もいたようです。
アウトドア生活で役に立った道具の1つが「ダッチオーブン」。
ダッチオーブンは、焼く、炒める、煮る、蒸す、炊く、揚げるなど全ての加熱調理が行える万能鍋。
ホームベーカリーが普及する最近まで、自宅でパンを焼く習慣がなかった日本国内と違い、アメリカではパンやパイ、クラッカーなどは自宅で調理するものでした。
一戸建てでは、キッチンにオーブンがありパイを焼くこともできましたが屋外では簡単にはいきません。
そこで、分厚い鋳鉄製のダッチオーブンが「オーブン」として役にたつことに。
焚き火や炭火に直接かけることができて、頑丈、上下に炭を置くことでオーブンのように上下から加熱できるダッチオーブンは、パンやパイを焼くこともできる便利な機器として今でも長く愛されています。
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実はあまり良い意味ではないDutch
ダッチオーブンのDutchは、「オランダ人・オランダ製」という意味でした。
似たような言葉では、ジョニー・デップが登場する有名な海賊映画『パイレーツオブカリビアン』シリーズに登場する海賊船に「フライング・ダッチマン号(Flying Dutchman)」という船があります。
直訳すると「空を飛ぶオランダ人の船」という意味になりますが、きっとなにかの例えではないかと思います。
また、Dutchは英語圏では「あまりいい」言葉として使われてはいない場合もあります。
それは、オランダ人をバカにするときの言葉として使われたこともあるようです。
似たような言葉に、日本人をバカにする言葉でJAP(ジャップ)があることは知られています。
こちらも元々は「日本人、日本の」という意味だったようですが、第二次大戦で差別用語として扱われるようになりました。
実は最近の若い世代や、言葉の軽い地域では差別の意識はなくJAP(ジャップ)を使うようですし、「性能のいい日本車」という意味でJap car(ジャップカー)と呼ぶようです。
おそらく、世代や地域によって受け取られ方は違うのでしょう。
まとめ
最近のアウトドアブームで、身近な道具になりつつあるダッチオーブン。
ダッチオーブンは、アメリカの開拓時代から使われている屋外でパンも焼ける万能調理器具です。
ダッチオーブン(英語:Dutch oven)の言葉の由来は、Dutch(オランダ人の、オランダ製の) oven(オーブン)という意味です。
実は、ダッチオーブンのDutchは英語圏では差別用語として使われることもあるようです。
第二次大戦前後で、日本人をバカにする言葉でもあったJap(ジャップ)と同じ意味でオランダ人に言われることもあるとか。
語源を知らなければ、トラブルになりかねないこともありますね。