五月人形は、子供の成長を見守ると共に、子供にふりかかる災難を代わりに受けてくれると言われています。
そんな、子供の成長を共に過ごしてきた五月人形にも、いつかは役目を終える日がきます。
その「役目を終える日」というのは正式に決まっているのでしょうか?
何歳まで飾るものなのでしょうか?
今回はそんな気になる五月人形についてお話します。
五月人形はいつまで飾るものなの?
結論から言うと、五月人形を何歳まで飾るかに特に正式な決まりはありません。
ただし、目安となる年齢には諸説あるのでお話します。
一説には「7歳まで飾る」と言われています。
これは、七五三のお祝いと同じ意味合いです。
7歳まで無事に成長した子供の成長を祝って、氏神様に感謝をするのが七五三ですよね。
昔は子供の死亡率が今よりも高かった為、「7歳までは神のうち」という言葉がありました。
7歳を無事に迎えることがひとつの山場であり、五月人形に見守ってもらうのも7歳までと考える説もあります。
次に、昔の元服にあたる「15歳まで飾る」という説もあります。
元服とは、昔の男の子の成人にあたる年齢のことを言います。
現在は20歳なので「20歳まで飾る」というのも一説にあります。
このように、子供の成長にとっての区切りはいくつかあります。
それぞれのご家庭で「区切り」だと思う時期まで飾っておくのが良いでしょう。
また、小さい頃は五月人形に興味を持っていた子供も、大きくなるにつれて興味がなくなり、見向きもしなくなることもよくあります。
子供が興味を示さなくなった時が区切り、と考えるご家庭も多いそうですよ。
親の五月人形を受け継ぐのはアリ?ナシ?
結論から言うと、それぞれのご家庭の考えで判断することでもありますが、一般的にはタブーです。
五月人形には、子供に降りかかる穢れや災いを「身代わり」になって引き受けてくれる役目があります。
五月人形のおさがりを使用すると、「厄を引き継ぐ」ことになってしまいます。
ですので、五月人形は、子供1人につき1体用意することが大切です。
もちろん、子供に兄弟が生まれた時も、まとめて1体の五月人形を使用するご家庭もあるかと思いますが、基本的には1人につき1体と考えておいて下さい。
ただ、複数飾るスペースが無い場合や、予算的にも厳しい場合などあると思います。
そんな時は、立派な五月人形でなくても構いません。
小さな簡易的なものでも良いので、1人につき1体、用意してあげるのが良いでしょう。
ただ、五月人形には子供の身代わりという意味だけでなく、「家の武運長久」を願ったものでもある為、家宝的な意味合いを持つとも言われています。
子供の健やかな成長を願う意味で、親の五月人形を代々引き継いでいるご家庭があるのも事実ですので、各ご家庭の慣習で臨機応変に対応することも大切だと思います。
五月人形は大人になったらどうすれば良いの?
五月人形は子供の為の守り神なので、大人になったら出番はありませんよね。
しかし、役目を終えた五月人形をしまいっぱなしにしておくのは、あまり良くありません。
基本的には、神社やお寺で供養してもらいましょう。
人形供養をしている神社やお寺で、お焚き上げ・処分してもらうことが出来ます。
ご自身で神社やお寺に持って行くか、近くに神社やお寺が無い場合は、郵送対応している所へ郵送するか、「人形感謝祭」のような人形供養イベントが行われているので、そのような場所に持って行くことによって供養することが出来ます。
両親の愛情や、自分の成長を見守ってくれた魂がこもっているものなので、粗大ごみに出すのは避けた方が良いでしょう。
五月人形の正しい捨て方とは?役目を終えた人形の処分方法
まとめ
五月人形にはきちんと「役割」と「目的」があります。
それを果たしたら、しっかりと感謝をして、供養するのが良いでしょう。
また、手放す前にもう一度、少しの間飾ってみることや、写真に撮って思い出として残しておくなどしても良いと思います!